「ジャック」を見た。
心にしみるファンタジーだ。
人より4倍のスピードで細胞分裂が進む少年 ジャックは、人より早く生まれ、成長も速い。
物語は40歳の身体を持つ10歳のジャックが学校に入る所から始まる。
子供たちから見たら自分の親と同じオジサンだ。
最初は気味悪がるが、やがてクラスの人気者になり、子供たちとの間に友情が芽生えていく。
木の上の秘密基地、ポルノ雑誌 等など、思春期の男の子の毎日が綴られる。
これだけならコメディなのだが、そうではない。
人よりも速く成長するというのは、裏返せば人より早く死ぬということでもある。
『20歳になれば僕だけがヨボヨボのじいさんだ』と言うジャックに
親友は『20歳からは下り坂だから、気にするな』と励ます。
授業で「大人になったら、何になりたいか?」と作文の課題が出た時、
その親友は言う。
『大きくなったら、僕はジャックのような大人になりたい。少年の心を持った大人に…』
泣けるシーンだ。
監督はフランシス・フォード・コッポラ。
「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」とは真反対のこんな映画も作るなんて。
さすが名監督だ!