「チップス先生さようなら」を見た。
しみじみと泣ける映画だ。
大きなドラマがあるわけではない。
悲しいのでもない。
でも涙が流れてくる。
チップス先生は名門校の名物先生だ。
子供たちやその親たちも先生の教え子だ。
名前を聞いただけで、当時の姿が浮かんでくる。
舞台は第一次世界大戦下のイギリス。
数多くの生徒たちも出征し、死んでいく。
死ぬシーンが描かれるのではない。
ただ学校の教会で戦没者の名前が読み上げられるだけだ。
戦争の終結も教会で語られるだけだけだ。
戦没者の子供時代の顔が浮かんでくる。
そして、もうこれで子供たちは死なずにすむ…そんな想いが伝わってくる。
先生がウィーンでワルツを踊る。
「ドナウ川は恋人たちには〝美しき青きドナウ〟に見える」というセリフなど、心に残るシーンが数多かった。